大倉元宏 清水美知子 田内雅規 村上琢磨【共著】
この本はタイトルの通り「視覚障がいの歩行」について福祉系、介護系、医療系、理工系を専攻する学生、
ガイドヘルパー、介護・福祉関係の実務家、医師、看護師、行政官、ボランティアの方々を念頭に科学的に書かれています。
視覚障がいの歩行では、OMを常に意識することが特に重要となる。オリエンテーションとは「自身とまわりの事物との相対的な位置関係を知る技術・プロセス」、モビリティとは「出発地から目的地まで安全かつ効率的に移動する技術・プロセス」を意味する。OMは視覚による外界の情報取得に大きく依存しているため、視覚に障がいが生じるとたちまち移動障がいが起こる。この移動障がいの克服は一朝一夕には達成できないものであり、さまざまな関係者がOMの本質を理解したうえで、策を講じるのが最も早道と考えられる。本書では視覚障がいのOM に「科学的」にアプローチする。「科学的」という言葉には、できうる限り客観的資料に基づいて議論するという意味合いを込めている。
「まえがき」より引用
本書には視覚障がいの方にも自身の歩行を客観的に見直すきっかけに読んでいただきたいという意図により
本文テキストデータと本書PDFデータを収めたCD-ROMが付属しています。
また人間工学、福祉工学、交通工学、土木工学、都市計画関連の研究者、技術者の方には
視覚障がいのユーザーを知るというものづくりの原点に立ち返るきっかけになるのではないでしょうか。
コロナ社(2014)