交差点横断 ②

エスコートゾーンの白黒写真

エスコートゾーン

3. 横断

横断のタイミングが来たら横断を開始します。

横断中は初期の方向を維持し、迅速に対岸へ移動することが重要です。

音響信号機道路横断帯(「エスコートゾーン」)が設置されている場合、横断中の進路維持が容易になります。

方向を示す手がかりがない場合は、以下のものに影響されて横断方向がズレる可能性があるので注意が必要です。

・人が持つ偏軌傾向(veering tendency)

・平行する車両の走行音などの環境音

・すれ違う人や自転車の動き

進路がずれると、横断歩道を外れ、交差点中央や交差点を横切る危険もあります。

そして、どこに到着したのか分からなくなることがあります。

熟知した交差点では進路修正がある程度可能ですが、不慣れな交差点では困難です。

そのため横断開始時の横断方向の定位の重要性が増します。

4.対岸に上がり元の進路へ戻る

横断を終了し対岸の歩道へ上がったら、元の進路へ向かいます。

不慣れな交差点では、交差点に関する情報を収集し、横断口や押しボタンの場所を特定横断方向と横断開始時点を決定するなどの課題を迅速に処理しなければなりません。

視覚情報が利用できる人にとっては、これらの問題がやや容易になりますが、視覚情報が利用できない人にとっては、高リスクの状況といえます。

特に、このリスクには車両との衝突の可能性が含まれるため、生命に関わる重大な問題です。

リスクを減らすための措置を取ることも重要です。

例えば、通行人から交差点についての情報を得る信号が変わったらそれを教えてもらうなどがその方法です。

横断を遂行する際には、これらの点に十分注意し、慎重に行動することが求められます。

リスクテイキング行動

交差点での横断行動は、「リスクテイキング行動」の一つです。

リスクを知覚し、評価し、リスクを負うか回避するかを選択する際、リスクを負う選択した行動を「リスクテイキング行動」と呼びます。

この意思決定過程では、リスクの大きさだけでなくリスクとそれを冒してでも得られる効果を比較し、効果が大きいと判断されればリスクを負う決断につながります。

例えば、よりリスクが低い交差点までの距離や、横断歩道橋の上り下りの困難さがこのような決定に影響を与える場合があります。

また、自分を周りに大きく見せたいという心理もリスクを負う意思決定に影響を与える要因の一つです。

リスクを負う行動は状況によって無謀な行動として非難されたり勇気ある行動として称賛されたりします。

一方で、回避行動臆病な行動あるいは慎重な行動として評価されることがあります。

リスクの評価は主観的であり個々人によって異なるため、ある人の選択が他者には無謀あるいは臆病に映ることもあります。

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