視覚障害リハビリテーションの社会適応訓練は、訓練施設に滞在して受ける方法と、利用者の居住地に訓練士が出向いて行う方法(訪問訓練)があります。
以下は歩行(オリエンテーションとモビリティ)訓練を例に、訪問訓練の流れを説明します。
訪問日までにすること
1. 訓練申し込みの確認
利用者に連絡し、訓練申し込み理由を明確にして、要望を大枠で把握します。
その上で、氏名、住所、電話番号、メールアドレス(メールでの連絡が可能であれば)を尋ね、訪問の日時を調整し決定します。
2. 住所情報の詳細確認
住宅の種類(戸建て、集合住宅など)、外観、近隣の目印を確認します。
これにより、訪問時の家の特定が容易となります。
3. デジタルマップの活用
デジタルマップやナビゲーションアプリで確認します。
ただし都市部の密集地域では家を特定することが難しいことがあるため注意が必要です。
4. 周辺エリアの事前調査
インターネットを利用して指定住所の周辺環境を確認します。
歩道の状態、点字ブロック等の支援設備、人や車の流れなど、さらに詳しい情報を得るためには、訪問日に少し早めに現地に到着し、調査します。
訪問日に行うこと
1. 到着の報告
到着する前に、およその到着時刻を利用者に連絡します。
その後、呼び鈴や声で到着した旨を伝えます。
2. 初対面の緊張を乗り越える
初回訪問は誰でも緊張するものです。
しっかりあいさつをして、利用者との良好な関係の第一歩とします。
3. 挨拶後の確認
利用者の体調や生活の様子を確認し、表情や顔色、目の動きなどを観察します。
事前情報だけに依存せず、現場での確認や利用者の話を重視します。
4. 訓練時の服装と装備の観察
服装と履き物、使用補助具(杖、遮光メガネ、弱視眼鏡など)
接待の対応
利用者からの接待の方法はさまざまです。
茶菓などは基本的に辞退します。
室内での訓練を行う場合は、家の中に入ります。
しかし屋外での訓練の場合は室内には入らず、直ちに訓練活動を開始します。
訓練中の安全の確保
初回訓練では利用者の行動パターンが未知なため、利用者の安全が確保できる距離を保ちつつ訓練を行います。
5. 訓練終了後の手続き
訓練が終わった後は、次回の日程を確認し、変更や中止などの連絡方法を再確認しておきます。