Human guide(ガイドヘルパー、手引き)
視覚障害を持つ人々の移動手段の一つに “Human guide”(以前は “Sighted guide” と呼ばれていました) があります。
日本では一般に「ガイドヘルプ(ヘルパー)」や「手引き」と呼ばれています。
この用語はガイドを行う行為や、その役割を果たす人物を指します。
ガイドの役割は、家族や友人、時には街中で偶然出会った人などが担うこともあります。
ガイド技術
歩行訓練では、視覚障害を持つ人がガイドの肘を握る基本的なガイド技術が教えられます。
これによって、視覚障害を持つ人はガイドの斜め半歩後ろに位置することになります。
ガイドは、この位置関係を保ちながら前方に広がる障害物を確認し、安全を確保しながら歩きます。
視覚障害を持つ人はガイドの肘の動きを通じてガイドの動きを感じ取り、それに従って歩きます。
これは、盲導犬のユーザーがハーネスを介して盲導犬の動きを感じとることに似ています。
同行援護
2011年に、視覚障害者のための新サービス「同行援護」が導入されました。
「同行援護」は障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスで、視覚障害者が外出する時にガイドヘルプ、代筆、代読、介護などが提供されます。
利用するには、定められた手続きを経て、利用日時も事前に設定しなければなりません。
同行援護サービスは、ガイドヘルプ以外にも、代筆代読や食事などの介護も含まれるのが特徴的です。
利用者のサービス利用状況によって、同行援護の形態を「自家用車型」「タクシー型」「介護タクシー型」と自動車利用に例えて区分することができます。
自家用車型:利用者が主体的に行動し、ガイドを指示して主体的に目的地を目指します。
この型は先述のガイドヘルプとほぼ同じ形態といえます。
タクシー型:利用者は経路や交通手段などの決定をガイドに任せます。
介護タクシー型:利用者はガイドの助けを受けながら目的地まで移動します。
視覚障害を持つ人の高齢化が進む中で、この介護タクシー型の利用が増加しています。
利用者が安心して利用できるサービスを
同行援護サービスを担う人々は、利用者の意向に応じてサービス内容を調整する必要があります。
これにより、利用者は自分の意思が尊重され、安心してサービスを利用できます。
「ガイドヘルプ」や「同行援護」は、視覚障害を持つ人々が安全に外出できるように支援する重要な活動、福祉サービスです。
これらが適切に提供され利用されることで、視覚障害を持つ人々が外出しやすくなり社会に参加しやすくなります。