交差点の横断方法
交差点の横断方法は交差点への熟知度によって異なります。
多くの場合、熟知している交差点では基本技術とその交差点特有の工夫を組み合わせて安全に横断することができます。
しかし、不慣れな交差点では慎重なアプローチが必要です。
現代の交差点は車両の左折を容易にするため曲線的に作られており、横断歩道は交差点中央から離れた位置に設置されています。
結果として、横断歩道口は直線的な経路から左右いずれかに位置することが多いです。
1.横断歩道口の探し方
横断歩行口が視認できれば、そこへ向かって移動するだけですが、見えない場合は縁石に沿って探します。
横断口へ誘導する点字ブロックがあれば、それを辿る方法も有効ですが、途中での交差に注意が必要です。
横断口を特定する手がかりには、段差の切り下げや点字ブロックなどがあります。
この時に歩行者信号用のボタンの有無と位置も確認します。
2.横断歩道口での行動
目と耳を使って人と車の交通状況を観察し、以下を推定します。
交差点の形状(十字路、丁字路など)
道路構造令では「道路は同一箇所において同一平面で5以上交会させてはならない」としています。
街には以下のような不規則な形状の交差点も存在します。
鋭角交差:2本の道路が鋭角に交差
食い違い交差:二つの丁字路を結合したような形状
折れ脚交差:十字路のうちの一つの道路が直角に交差していない
道路幅や車線数
横断距離
交通制御方法(信号機や一時停止標識の有無など)
音響信号機が稼働している場合、信号の有無を容易に知ることができます。
しかし音響信号機がない場合は、交差点を走行する車両の動きを観察して信号の状態を推定する必要があります。
直角に交差する交差点では車両の動きが予測しやすいですが、「不適切交差」のような不規則な形状の交差点では予測が難しくなります。
また、右左折専用車線と矢印信号がある場合、交通制御パターンが複雑になり予測が一層難しくなります。
横断方向の決定
横断方向を決する際には、縁石や車両の流れなどの複数の手がかりを考慮する必要があります。
初めての交差点では、これらの手がかりがどれだけ信頼できるかは不確かです。
そのため、複数の情報源を組み合わせて最も安全と思われる横断方向を決定することが重要です。
横断のタイミング
伝統的には自分の進路と平行な車両の発車音が主な手がかりでした。
しかし、最近では、横断歩道が交差点から離れる傾向にあり、車両の音が遠くなっています。
さらに、エンジンの静音化により、これらの音を聞き取るのが一層困難になっています。
また、歩車分離式信号機の場合、歩行者の横断時にはすべての車両が停止する状況もあり、車両の音は手がかりとなりません。
したがって、信号現示のシークエンス(信号表示の順序)を含む複数の手がかりを組み合わせて横断のタイミングを決定することが重要です。
押しボタン式信号を使う場合、ボタンの位置と横断口が離れていて、押した後に横断口へ戻り、横断方向の決定のための時間が十分に取れない状況もあります。