障害者と健常者の境界

足の指から甲までの写真。少し足の指が丸まっている。

「障害」

障害者と健常者の境界はどこにあるのでしょうか。

この世に完璧な人はいません

誰もが大なり小なり何かしらの制約を持って生きています

それがある一定の基準から外れたり満たない場合に、いわゆる「障害」と称される状態になるのでしょう。

「障害」に含まれる三つの意味

日本語の「障害」には英語の”impairment”、”disability”、”handicap”の意味が含まれています。

そのため、「障害」という言葉を用いる際には、これらの三つの意味のどれを指しているのかに注意する必要があります。

“disability(ディサビリティ)”は、身体的または精神的な“impairment(インペアメント:損傷)”による状態で、医学的に説明される客観的な側面を持っています。

一方、“handicap(ハンディキャップ)”はそのディサビリティが個人の日常生活や能力にどのような影響を与えるかを示すもので、それは身体的、心理的な状況によって異なります。

求められる機能レベルは文化や環境によって変わる

数十年前、横浜の中華街で一人のすらりとした老女を見かけました。

彼女の歩く姿からは気品が感じられましたが、足取りが不安定に見えました。

その理由はすぐには分かりませんでしたが、足元を見ると彼女の小さな赤い靴が目に入りました。

そしてその靴が不安定な歩行の原因だと気づきました。

それは纒足(てんそく)という中国の伝統的な慣習によるものでした。

話には聞いていましたが、そのような足を持つ人を実際に見るのは初めてでした。

そのような慣習の中では、纒足の女性に迅速な動きは求められなかったのでしょう。

つまり、社会が人々に求める機能レベルは文化や環境によって変わると言えます。

ハンディキャップとは

ハンディキャップは、その人の置かれている状況や、社会の期待によって決まります

視覚を必要としない業務においては、盲人にハンディキャップはないとも言えます。

一方、医学的には障害とは言えない身体の状態でも、本人が障害と感じることはあります。

障害が人の自己実現を妨げる原因には身体的要因だけでなく社会的な要因も含まれます

社会は障害を持つ人々の能力を引き出し、すべての人が社会に参加できるような支援の体制を整える必要があります

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