
スクウェアオフ(Square Off)とは
視覚障害のある人は、空間を移動する際に、進むべき方向や目的地を視覚的に確認することができません。
目的地が壁沿いや道沿いにあり、そのことを知っていれば、壁や道に沿って行けば到達できるでしょう。
しかし、廊下を渡ったり、ホールを横切ったり、交差点を横断したりする場面では、
壁や道のような連続した手がかりが存在しないことが多くあります。
そうした状況で役立つ技術の一つが「スクウェアオフ(Square Off)」です。
スクウェアオフは、視覚障害のある人が壁やドア面などの平坦な面を基準に身体の向きを整え、
その面に対して直角を向くことで進行方向を定める技術です。
とくに屋内の廊下など、開けた空間を横断するための基本技術として用いられます。
スクウェアオフの手順(屋内の場合)
廊下の壁面を用いたスクウェアオフは、次の手順で行います。
身体を壁面に当てる
踵(かかと)、ふくらはぎ、臀部(でんぶ)、肩、背中など、左右対称の身体部位を平坦な壁面に接触させます。
身体の向きを調整する
筋肉や関節から得られる感覚に注意を向けながら、壁に接している身体の部位の左右のバランスや
筋肉の張り具合を手がかりに、姿勢を整えて壁に対して直角を向きます。
直角方向に歩き出す
壁面を基準に、その直角方向にまっすぐ歩き出します。
技術習得の進行段階
この技術は、まず接触面積が大きい対象(壁面など)を使って練習を始め、
徐々に接触面積の小さい対象(長椅子、敷居、縁石など)へと段階的に移行します。
最終的には、床面や路面の直線部分(ショアライン、縁石など)を基準に、
スクウェアオフを行えるようになることを目指します。
この技術は、屋内だけでなく屋外でも活用できます。